ロシア・ハバロフスク:舞台公演と氷上の世界書紀行
今回は、2015年3月の活動記録から、外務省の文化人派遣事業にご推薦いただき、ロシア・ハバロフスクで行った文化交流ミッションの全記録を振り返ります。
書道パフォーマンスから子どもたちへの授業、そして氷上の揮毫まで——数日間にわたる、濃密で実りある文化交流の旅となりました。

【Day 1】歴史ある映画館での書道パフォーマンス
3月18日、旅の始まりは、ハバロフスク市内で最も歴史の古い映画館でした。「世界書紀行」の映像上映、書道パフォーマンス、そして舞台挨拶を行いました。
エントランスには「瑞気集門(ずいきしゅうもん)」の書を展示しました。「めでたい兆しが、笑いの絶えない家に集まってくる」という意味を込め、現地の皆様の幸福を願った一枚です。

【Day 2】次世代への継承 ― 書写の授業とワークショップ
3月19日は、教育に一日を捧げました。午前中は小学生、午後は中高生クラスにて書写の授業を行い、さらに講堂にて一般公開ワークショップを開催しました。
ロシアの子供たちのキラキラとした瞳と、書に触れる真剣な姿が強く印象に残っています。墨と紙を通じて、現地の皆様と直に交流できたひとときでした。

【Day 3】音・布・書の融合ステージ
3月21日、ツアーのクライマックスは音楽ホールでのコラボレーションステージです。
第一部は、三味線奏者の伊藤氏、カホン奏者の平島氏との音楽コラボレーション。伝統的な和の音色と現代的なリズムが融合し、書のためのダイナミックな舞台をつくり上げました。

第二部は「書×ファッションショー」。ステージ上で一枚の布を立体裁断(ドレーピング)でドレスへと仕立て上げ、そのドレスに直接「書」をしたためるというパフォーマンスを披露しました。ファッションとパフォーマンス、そして書が一つになった瞬間です。

特別な場所での揮毫
そのほかにも、通常は入ることのできない教会へ特別に許可をいただき、館内で「祈」を揮毫しました。日本総領事館では「健」を、また滞在したホテルでも作品を展示させていただきました。

番外編:世界書紀行 ~アムール川の氷上に詩を描く~
15カ国・50回100都市以上を旅してきた矢部澄翔が、インスピレーションを受けた大自然の中で書を制作する「世界書紀行」シリーズ。その第4弾の舞台に選んだのは、アムール川の氷上でした。

ハバロフスクは70年ぶりの大雪に恵まれ、一面の銀世界。アムール川の遥か彼方に沈みゆく夕陽が、空を赤紫色に染め上げ、静寂の中で氷を赤く煌めかせていました。
まるで川に吸い込まれていくかのように、紙上で舞い踊り、詩を描く。その幻想的な光景と、現地のテレビ取材の様子を映像に残しました。
アムール川の氷上での世界書紀行パフォーマンス
書が、国境を越えて心を結ぶ
舞台、教育、そして大自然。形を変えながらも、筆一本で人と人、文化と文化を結んでいく。書は言葉の壁を越えて心を通わせられる表現なのだと、この旅であらためて実感しました。
海外での書道活動の記録はWORLD ACTIVITYのページにまとめています。
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